介護福祉サービス系資格を取得 生活・仕事・転職で活用。介護福祉/高齢者ビジネスに新規参入/事業化/起業化/開業を目指す。

今の気持ちをわかってほしい | 武田流心くばり介護道/介護傾聴師養成講座ブログ「最上級の介護サービスとは」

今の気持ちをわかってほしい
先日、ある施設に忘れ物をしたので取りに伺いました。
玄関を開けてもらって中に入ると、ちょうど玄関口で婦人のご入居者と職員2人が何やら押し問答をしていました。
取り立てて切羽詰まったことではなく、ただご入居者が「今日は友達が家に来るから迎えに行かないといけないのよ」とおっしゃって外に出ようとしているのを、職員2人がかりで外に出ないように言い含めている所でした。私の顔見知りのご入居者でしたので、ご挨拶をしましたが、私の声は耳に入らず、両腕を職員に持たれているにもかかわらず、ひたすら外に出ることだけを希望していらっしゃいました。認知症を発症していらっしゃるので無理もないことですが、職員が理屈で言っても聞いてもらえず、どのような手段でも外に出ようとなさいます。
中堅の職員2人の対応でしたが、少し残念な対応にこのご入居者の「モヤモヤ」した気持ちを、どうにかして差し上げたいと心底思いました。
そして昨年末で施設を退職されたベテラン生活相談員の言葉が思い出されました。
「ご本人が『外に出たい』とおっしゃるなら一緒に出掛けてあげればいいのよ、施設の周りをぐるりと回って、『そろそろ風が冷たくなってきたからおうちに入って温かいお茶でも飲みましょう』と言えばご本人も自然に施設に戻るのよ」 その通りだと思いました。外に出たいと思う方にはいろいろなタイプがありますが、玄関先で外に出ないように頑張っていても、ご入居者のお気持ちはかえって大きな反発になります。このご入居者にはまず「外に出たい」という欲求を満たして、上手に施設に促していき普通の状態に保って差し上げることです。「北風と太陽」の太陽の役割を職員にはしてほしかったと思いました。
忘れ物をいただき、数人の職員と少し会話をして玄関に戻りましたが、まだ押し問答は続いていました。そんな時間があったら施設の周りを1周くらいできたかもしれませんね。
職員の手が足りないと言いながらも、この時間は残念だったな、と思いながら施設を後にしました。ひとりひとりの尊厳を大切に思って介護していただけるのなら、今の気持ちを大切にすくってほしいと願いました。
堺野 幸枝

堺野 幸枝 (さかいの さちえ)
武田流心くばり介護道®/介護傾聴師®養成講座
師範・教授格
NPO/特定非営利活動法人
日本エイジング・アドバイザー協会 理事
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
エイジング・アドバイザー®
認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る

- | -
<< お姉さんまた来てね | 私の仕事 >>