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お姉さんまた来てね | 武田流心くばり介護道/介護傾聴師養成講座ブログ「最上級の介護サービスとは」

お姉さんまた来てね
「あ〜、そうか今日はお花の日ね」と嬉しそうに、次から次へと指定場所へと集って行きます。「わたしも、わたしもいくんだよねー」そう言いながらR子さんが部屋へ入ってきました。しかし今日の参加者の中にお名前が入っていません。参加でないことを職員が一生懸命説明しています。
R子さんは納得がいかない様子です(このようなことはよくあることなのですが・・)。ご本人が参加したくても、お花のイベントは参加者から花代をもらっているので、ご家族の許可がないと参加できないのです。R子さんは度々参加しているので私も良く知っています。そのような訳で、「R子さん、私のお手伝いしてくださいますか」と伺うと「わたし、お手伝いはできないの!」と、少しおへそを曲げてご自分の部屋に帰って行かれました。
 お花のイベントはみなさん大好きで沢山の参加者がいらっしゃいます。私は常々思うのですが、毎回参加されていらっしゃると本当に上達するもので、何をするにも年齢は関係なく、本人のやる気で才能が伸びていく事実を目の当たりにしています。しかし私がただ見ているだけでは参加者の成長は望めません。やはり励ましや称賛を繰り返し声掛けしていくことや、寄り添いながらじっくりと眺めて「いいね!」のひと言。唯一生きている物に触れられる時がお花の時間です。匂いを嗅いだり、とげに触れたり、傷んだ葉をむしったりしていると生きている実感がわいてくるのだそうです。  先ほどから皆さんの作品をお手伝いしていると、こちらを行ったり来たりしながらチラ、チラとのぞいている顔が見えます。私と目が合い向こうに行こうとした時、
「R子さん、これから歌を歌うのよ、ハイこれあなたの分」と言って、歌詞カードを渡しました。喜んでテーブルの所に来るとお隣の人と歌詞カードをめくりながら、笑顔になって大きな声で歌ってくれました。参加者も楽しそうに私の大きな口に負けないくらいの口と目を広げて、声を出しながら体をゆすっています。ひと通り歌うともっと歌いたくなるもので、
「あら〜、もう最後になっちゃったねー」とあちらこちらから聞こえてきます。
私は参加者のこの活き活きした顔を見ると、「あー、今日来てよかった」とつくづく感じます。帰り際に職員が「先生、R子さんに声をかけて歌に誘ってくれて、ありがとうございます。おへそを曲げてしまって困っていました」R子さんは大勢の中で自分の存在が大切にされているか、まるで確かめるように様子を伺っていらっしゃいました。「R子さ〜ん」と私から呼ばれた時はと〜っても嬉しそうでした。誰も嫌な思いをしなくてよかった。
エレベーターのドアが閉まるまで「おねえさんまた来てね」と言う声が続いていました。
堺野 幸枝

堺野 幸枝 (さかいの さちえ)
武田流心くばり介護道®/介護傾聴師®養成講座
師範・教授格
NPO/特定非営利活動法人
日本エイジング・アドバイザー協会 理事
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
エイジング・アドバイザー®
認定エグゼクティブ・コーチ
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