介護福祉サービス系資格を取得 生活・仕事・転職で活用。介護福祉/高齢者ビジネスに新規参入/事業化/起業化/開業を目指す。

工夫しながらいい塩梅で | 武田流心くばり介護道/介護傾聴師養成講座ブログ「最上級の介護サービスとは」

工夫しながらいい塩梅で
「『飲んでください、水分を摂らないといけないですよ』っていくら言ってもお茶を飲んでくれないんです」と優しく入居者に話しかけている若い職員が、年配の生活相談員に言っていました。生活相談員は「大丈夫よ、すぐ飲むから」と言って入居者の所へ行き、「あら、B子さんまだお茶召し上がっていないんですか、湯呑を洗わないといけないから早く飲んでしまってください」と言うと、入居者はお茶をグイグイ飲み始めました。それを見ていた私は思わず笑ってしまいました。
「物は言いようですね」と笑いながら相談員に言うと、「若い職員は工夫をすることを知らないから、ただ同じことを言ったって、いつもの事だから飲まないわよ。飲まなくても怒られるわけではないし」本当にその通りだと思いました。 食事の時にも同じようなことが言えるのだそうです。いつもの薄味のおかずに、「もっと濃い味が食べたい」とか、「色も薄くて見るからに美味しくなさそう」とおっしゃって手を付けようとしない入居者に対して「C子さん栄養を摂らないといけないですよ、召し上がってくださいね」と若い職員が言っても、なかなか食べずに終わってしまうそうです。でも食べないと本当に栄養が摂れないので、どうにかして召し上がって頂かなくてはなりません。 そのような時相談員は「あら〜、C子さんそのおかず私もさっき食べたけど、柔らかくてとっても美味しかったですよ」とか「食べず嫌いではないですか?中まで味がしみていていいお味でしたよ」や「鶏肉は高たんぱく、低カロリーだから体には最高よ」と言うと箸をつけるのだそうです。 「それで結局きれいに召し上がってくださるわよ」と相談員も笑いながら話してくれました。 優しい語りかけも大切です。でも相手の今の状態を察して、相手の身になった対応をしなければ、優しさなんて口先だけの事ぐらいすぐわかってしまいます。なんて言ったって 人生の大先輩と向き合っているのですから、相手のやる気を出すような語りかけも必要です。介護は知恵と工夫と良いさじ加減です。時には闘争心を燃やすような熱い語りかけもありです。年を取ったって内なる魂は燃えています。みんなに同じような声掛けをしていては、個人の尊重や個性の理解なんてできるわけありません。 入居者の人生経験は一人ひとりが分厚い本になるくらいドラマチックです。なかなか手強いですから、人生経験の少ない若い職員の通り一辺倒なものでは太刀打ちできません。頭の回転を良くして、その人にふさわしい声掛けを積極的にしてほしいと思いました。
堺野 幸枝

堺野 幸枝 (さかいの さちえ)
武田流心くばり介護道®/介護傾聴師®養成講座
師範・教授格
NPO/特定非営利活動法人
日本エイジング・アドバイザー協会 理事
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
エイジング・アドバイザー®
認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る

- | -
<< 苦労が実るとき | 想定外のことって >>