2015-08-16 17:12 介護ビジネス
でもこのように「何年そのお身体を使っていますか」と聞くと「そうね、80年になるかしらね」と返ってくるのだそうです。「80年お身体を休みなく使っているのですから、メンテナンスも必要になりますよ。いろいろ使い勝手が悪くなるところも出てきますよ」このように言って病院にご一緒したり、またどのようなものでも長く使うと手入れが必要、と会話を交わしていらっしゃいます。私たちはつい自分を過信してしまうのと、いつまでも元気な体でいられると思っています。しかし確実に衰えているし、衰えていることも感じなくなるくらい鈍くなっています。
ご近所の76才のご婦人で、半年くらい前から駅前の体操教室に通っている方が「ちっとも変わらないから辞めようかと思って」とおっしゃるので、「何が変わらないのですか」と伺いましたら、「体は悪くならないけど、もっともっと60代の頃のように動けるかと思っていた」とおっしゃるのです。
「悪くなっていないのであれば成果が出ているっていうことですよ。半年前と同じってことは半年間年を取っていないっていうことになるでしょう」と言うと、
「へー、そうかい。そういうことも考えられるか・・・」と半信半疑の様子でした。私たちは何かを始めると、目に見えるような成果を期待してしまいます。それは何か物を作り出す場合や、片付けなどにはあてはまるかもしれません。しかし、体力や動作に関しては、高齢になると現状維持できることが成果になります。本来ならば高齢と共に下降していく体力や動作が、たった30分の軽い体操を毎日することで筋力を半年前と同じように保てるならばものすごい成果です。目が見えなくなり、耳が遠くなっていくのはどうしようもないことかもしれませんが、今健康なうちに筋力は自分の努力で現状維持できるならば、散歩を日課にしながら積極的体を動かしていきたいと思います。今年の夏の暑さは尋常ではありません。外に出ないで家にいることが望ましいですが、何もしないでは運動不足と喉の渇きは覚えないでしょう。立ったり座ったり、クーラーを付けながらもこまめな家事をしていると汗が出てきます。軽い運動で汗を出して水分を補給してその繰り返しです。普段水分を取るときも、スポーツドリンクは即効性があって吸収が早いですが、甘みがあるので少し水を加えて薄めて飲んでもいいと思います。そして夏野菜をたっぷり食べて、秋に紅葉狩りに行かれるよう体を備えていきましょう。

堺野 幸枝 (さかいの さちえ)
武田流心くばり介護道®/介護傾聴師®養成講座
師範・教授格
NPO/特定非営利活動法人
日本エイジング・アドバイザー協会 理事
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
認定キャリア・コンサルタント
認定エグゼクティブ・コーチ
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