介護福祉サービス系資格を取得 生活・仕事・転職で活用。介護福祉/高齢者ビジネスに新規参入/事業化/起業化/開業を目指す。

不思議な力 | 武田流心くばり介護道/介護傾聴師養成講座ブログ「最上級の介護サービスとは」

不思議な力
梅雨に入って体の不調が気になる方が多いのではないでしょうか。高齢者施設の職員の中でも4月のスタートから緊張していた心身に疲れがでてきて、現場での歯車が噛み合わず、ベテラン職員は「なかなか仕事を覚えない新人」に苛立ち始めていました。
そうすると自然と相手に投げかける言葉がきつくなって、追い込むような態度や言葉が出てきてしまいます。それを受ける新人はどうでしょうか。自分の能力や性格に悩み、自己嫌悪に陥ってしまうでしょう。そんな新人A君は自分が原因で先輩がイライラしていると思うと、時に消極的になって笑顔が少なくなってしまいました。ベテラン職員から苛立ちを聞いていた私はA君がフラフラっと歩いてきた時「大丈夫、大丈夫、これからだよ」とおもわず言ってしまいました。脇でその様子を垣間見ていたご入居者のSさんが私に「あの子青森から出てきて一人暮らししているんだって、この間『そろそろお母さんの所に帰りたくなったか』って聞いたら、笑っていたよ」と話してくれました。さすがSさん、A君に素晴らしいコミュニケーションです。私はSさんに「そうですよね、寂しいかもしれませんね」と言い、その場を去りました。2,3日して施設に行くと、A君が少し柔らかい表情をしているような気がしました。Sさんが私の所に来て「あの子に『青森ではおじいさん、おばあさんと一緒にいたのか』って聞いたら『そうだ』って言うから、『ここにもあんたのおじいさん、おばあさんがいっぱいいるだろう』って言ったら、『うちのじじばばはもっと若い』って言われちゃったよ」と笑って話してくれました。SさんもA君の様子に気づいて、気を使ってくださったのだと思い、嬉しい気持ちになりました。A君もSさんの優しい気遣いに気づいたのと、志を持った初心を思い出したのでしょう。介護の仕事は誰かがどこかで優しい気持ちを引き出してくれるから、前に進んでいかれるのだと思いました。
「仕事が山のようにある、残業ばかりある、責任を持たされる、だから仕事を辞めたい」と言って職場を去る人がいますが、たとえそうであっても信頼のある人間関係が築かれている職場であり、気持ちを吐露できる人がいたら職場を去るまでいかないでしょう。職場を去る人たちの一番の原因は人間関係がうまくいかないことにあります。私たちの行いや、言葉は時として相手を傷つけていることに気付かないでいます。しかし思いやりを持った行動や言葉は知らずして相手を癒していることもあります。人は人によって傷つけられたり、裏切られたりしますが、そのことを癒してくれるのはやはり人なのです。人は人なくして生きていかれません。周りの人とかかわっていくことが人間として生きる喜びです。今年社会人生活をスタートさせた皆さんが、悩んだり苦しんだりしながらも良い人間関係を築いて、今の仕事が天職として全うできますように祈っています。
堺野 幸枝

堺野 幸枝 (さかいの さちえ)
武田流心くばり介護道®/介護傾聴師®養成講座
師範・教授格
NPO/特定非営利活動法人
日本エイジング・アドバイザー協会 理事
プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/
認定キャリア・コンサルタント
認定エグゼクティブ・コーチ
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